オリジナルのぼりとレンタルビデオ店の風景は、私にとってはおなじみの光景でした。
大体はレンタルとか、レンタルビデオと書かれたものが立っていましたが、ときどき、セール開催中とか、セール実施中とかいったものが立っていることがあり、こんなときにでくわすと、ラッキーと思ったものです。
明日は休みという日の仕事帰りには、決まってレンタルビデオ店に立ち寄り、見たい映画のビデオを借りてくるのが楽しみだった私は、ときどきこのセール実施中のオリジナルのぼりを見つけることがありました。
いつもの、レンタルビデオ、というのではないので、一瞬お店を間違えたかなと思うこともありましたが、何度か見ているうちに、どちらも見慣れてくるようになりました。
セール実施中のオリジナルのぼりが出ていると、すごいもので、普段よりレンタル料金が安くなることから、新作や人気作品は軒並みレンタル中になっていて、セールをしていることが逆に恨めしく思えることもありました。
それが分かってくると、そのうちに、安いのはうれしいけれど、どうしても見たい作品があるときは、どうかいつものレンタルビデオのオリジナル幟が出ていますようにと思うようになったのでした。
オリジナルのぼり旗とレンタルビデオ店といえば、かつては街中のいたるところにあったものです。
私も常に3店舗くらいは会員になっていて、そのうち、常に使うのは自宅の近くで、そのほかは品揃えの多い大きな店舗で、どうしても見たい作品があるけれど、自宅近くの店には置いていないという場合、わざわざ遠くても大きな店にまで借りに行くということがありました。
いまや街中で、レンタルビデオと書かれたオリジナルのぼりなど、目にすることもなくなりました。
考えてみれば、時代はDVDの今、ビデオカセットそのものがもう必要とされる機会がほとんどありません。
盛況を極めたレンタルビデオ業界が斜陽の一途をたどっていく姿を見るのは、ずっと愛用してきた私には、つらいものがありました。
お店が一つ閉まり、また一つ閉まりしていく間に、店先からはレンタルビデオと書かれたオリジナルのぼりが撤収されていきました。
そのため、こうしたお店に特有のアダルトというダークな面も排除されていきましたが、これも時代の流れなのかもしれません。
先日、店先のシャッターに、しばらく閉店しますと書かれた紙が貼られたままのレンタルビデオ店を見つけましたが、やはりオリジナルのぼりは立っていませんでした。